久しぶりに日本にとって明るい話題です。
スーパーコンピューター「富岳」世界一!
おめでとうございます。
このニュースは素直に素直にうれしかったです。
ここ8~9年ほど、世界1位から遠ざかっていましたが、2020年、堂々の世界1です。
技術の正解ではNo.1になることは特別な意味があるのです。
「2位ではだめなんですか」という意見を述べた、国会議員さんがいましたが、2位ではだめなんです。
世界1位になるからこその可能性
業界スタンダードになれる可能性
世界1位になったからといって、必ず世界基準になれるということではありませんが、その可能性は世界で2位に甘んじているよりは高くなります。
スーパーコンピュータなんて量産するほど必要ないと思われるかもしれませんが、その技術は将来パソコンの中に転用される可能性があります。
そうすれば一般家庭に普及していくわけです。
宇宙開発によって生まれた技術が、後に航空技術に反映され、ひいては、自動車の技術に転用されることによって、一般家庭に普及していくように、スーパーコンピュータの技術は未来のパソコンに搭載されることによって、家庭へと普及する可能性も大いにあります。
業界の基準となることができれば、他の追随する国や企業が、その世界の最先端の技術に合わせてシステムや形状を決めてくることも少なくはないのです。
そのような実績を重ねることで、ISO規格などに採用されれば、益々その傾向がもっともっと強くなります。
業界で高いシェアを占める可能性
業界スタンダードになることと大きく関係していますが、結果として大きなシェアを獲得することができる可能性は大きくなります。
特にスーパーコンピュータのような、「計算をする」というシンプルな能力になればなるほど、その効果は高くなります。
技術が後発となればなるほど、先に開発された構造に合わせて開発していくことになります。
それは機械的な構造でも、システム的な構造でもいえることです。
各国、各社がそれぞれ独立した物作りをしていてもよかった昔と異なり、複数の会社で開発されるハードウェアとソフトウェアとが協働して一つの製品を形作る現在においては、基準を設けてそこに寄り添うように開発をします。
その基準の部分の技術をおさえることができれば、多くの製品の中に組み込まれ、静かに普及していきます。
計算技術はいろいろなことに貢献する
計算機技術の向上は、多くの産業の開発を助けます。
例えば、計算速度が速くなれば、シミュレーションなどを行うにあたって、1時間かかっていたものが、40分で計算できるようになります。
例えば、多くの条件を計算に入れ込むことができるようになれば、計算結果の精度が向上することになります。
今、言われていることは、工業製品への貢献はもちろんのこと、薬の開発の速度が上がるだろうとのことです。
私は薬の開発に関してはほとんど知識がないですが、膨大なデータ処理が必要なんだろうな、ということは想像できます。
また、気象データの処理、災害のシミュレーションなど、公共的な利益をもたらすこともあるかと思います。
来年には、また新しい技術を搭載したスーパーコンピュータの、いずれかが世界1となるでしょう。
世界1になったからといってのんびりしてはいられません。
うれしいお知らせに喜びつつも、多くの技術者の皆様が、今もなお切磋琢磨していることでしょう。
今後の動向を楽しみに、また心から応援しています。
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